日本人の英語力(1)

「気象が計算できるなら気候も計算できると思った」
テレビから聞こえてきたその言葉が印象に残った。
今年のノーベル物理学賞を受賞した、米国プリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎氏の言葉である。
分かった風に書いているが、私は気象と気候の違いが本当のところはよく分かっていないが、真鍋氏の言葉にもっともらしく「なるほど」と納得したのだ。
真鍋氏の英語でのスピーチはとても興味深かった。ユニークな人柄が現れ、尚且つインテリジェンスを感じさせるものだ。
真鍋氏はもちろん、長年アメリカで生活されているので、日常会話で英語を話しているだろう。
そこでふと思い出したのが、日本人ノーベル賞受賞者は必ずしも英語が堪能ではないということだ。中には「アイ キャント スピーク イングリッシュ」とインタビューの冒頭で話した受賞者もいたようだ。
自分はどうか。
小学生の頃、近所の英会話教室に週1回。なんとなく通っていた。
中学校の英語の授業、いわゆる「This is a pen.」である。それ、日常会話で使わないやつだ。
にもかかわらず、高校受験、大学受験とリスニングテストがあるのである。もちろん聞き取れずイライラしたものだ。
そして多くの人の疑問が湧いてくる。なぜ日本人はこんなにも英語が話せないのか。
そこで批判の矛先は学校の英語教育へと向かう。
(ちなみに現在の学校教育では小学校1年生から会話を中心とした英語の授業が始まっている。)
ブログのタイトルを「英語力」としたが、日本人は決して「英語」が苦手ではないと思う。英語を使った「会話」が苦手なのではないか?
私個人の意見だが、使わないものはできないのである。学校で、家庭で、町で、英語は飛び交っているか?いないだろう。
使われていてもそれは、ジャパニーズ イングリッシュ・ジャパニッシュだ。和製英語が馴染み過ぎているし、私もこうやってカタカナで「英語(?)」を書きまくっている。
いや、本当に学校だけのせいなのか?
生活の中にカタカナが溢れかえっているが――
レストランに入ったとしよう。(すでにもうカタカナである。)
何を食べようかな。
ハンバーグにしようかな。
食後にコーヒーもつけようかな。
デザートにアイスも頼んじゃおう。
ほら!
英語なんて使わなくていいじゃないか。
メニュー表もカタカナで書いてくれているし、店員さんだって、
「Okay, so that’s one hamburger, a coffee and one ice cream. Is that right?」(←合っているのかも分からない)
なんて言わない。
そんな話はここまでにして、真面目な話に戻すと、日本人は英語が話せないことで、どんな弊害があるのか。科学力でも落ちるのか?論文って英語のイメージが強いが…。
――(2)へ続きます
(Written by HIROSE)
この記事へのコメントはありません。