実りの秋

日本には四季があるが、ここ何年かは5月でも暑いし、そのまま夏になって、10月でも暑くて、いつのまにか冬に突入しているような、三季になってしまったように感じていた。
最近も朝は冷え込み、掛布団も暖かいものに換えたし、上着も羽織って出かけるようになった。
「涼しくなったね」や「過ごしやすくなったね」ではなく、思わず「寒いね」と言ってしまうのだが、それでもやはり冬ではない。
秋なのだ。
窓から見える柿の木は、夏の終わり頃から青い実がなり始めていた。そしていつのまにか、真っ赤に色づき、とうに食べごろを迎えてしまったものは、人よりも先にカラスに味わわれていた。
さて、収穫しようじゃないか。
脚立に登って、枝を切る。
今年実がなっている枝には来年は実がならないらしい。だから、その枝だけを剪定していく。
何十個採れただろうか。
柿は味わいも見た目も、日本の秋らしさが感じられる。
「〇〇の秋」という表現は色々あり、秋は特に味覚で感じるものが多い気がするが、視覚で感じるものも多いと思う。
色づく紅葉、街路樹が落とした葉やどんぐり、実る果実、それらはいつの間にか変化しているから、見逃さないようにしないともったいない。気づくと冬になってしまうから。
さて、収穫した柿を食べるのが楽しみである。
こちらはカラス用↓ どうぞ召し上がれ。
(Written by HIROSE)
立派な柿ですね!