消えゆくラバーマスク

先日、新聞にて「オガワスタジオ、ラバーマスク製造中止」というショッキングなニュースが目に留まった。
オガワスタジオと言えば、テレビでもたびたび取材される大宮区の企業であり、アニメや映画のキャラクター、政治家・芸人などその年の“顔”などの国産マスクメーカーである。我が子がまだ赤ちゃんだった頃から散歩でよくオガワスタジオの前を通ったものだ。道路側に飾られたマスクのあまりのリアルさに、我が子は大泣きしていた。
日頃ラバーマスクを被ることのない私にとって、その製造が中止してしまうニュースはあまりに衝撃的で寂しいものだった。
なぜか。
そもそも、私はラバーマスクを被ったことがあるのだろうか。
あるような、ないような気がする。
あるとすれば、学生時代の飲み会だろうか。見たことはある。誰かが馬のマスクを被っていた。そしてそれを次々に皆で被り回して笑っていた記憶が蘇る。
きっと、「被ったことはないかもしれないが、見たことはある」、そんな人が多いのではないだろうか。
ラバーマスクはそうやって、“生活必需品”ではないのだが、誰かが持っていて、特に意味はないのだけれど、唐突にその姿で登場するとなんだか楽しい、そんな存在である。
コロナ禍のあおりを受け、宴会やパーティーといった文化が激減し、ラバーマスクの登場機会も減ってしまったのだろう。家庭で、ましてや一人で楽しむには扱いが難しい。
時代の変化と共に、世界に誇る地元の有名企業の製品が1つなくなってしまうことは、非常に残念である。
そうやって新聞記事を見てから、「記念に」と思って大仏マスクを買ったのではもう遅いのだろう。
それでも、なくなってしまう前に手に入れたこの“生活任意品”を、なんとなく大切に持っておきたい。
(written by HIROSE)
出典(https://www.yomiuri.co.jp/national/20210908-OYT1T50329/トランプ氏ら政治家そっくり、ラバーマスクで有名な「オガワスタジオ」が年内で製造中止 : 社会 : ニュース : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)
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